学習時間の目安や学力はアテにならない

宅建の合格者の勉強時間は300時間などといわれます。つまり、300時間勉強すれば合格するということです。300時間とはどの程度でしょうか。1年間毎週日曜を休みにして、1時間ずつ勉強すればおよそ300時間です。半年で済ませるなら2時間。3ヶ月なら4時間となります。

さて、この数字を見てどう思われましたでしょうか。3ヶ月で4時間。これは、10月末の試験に向けてお盆ごろにやっとこ重い腰を上げる人には達成できない数字です。8月中旬からですと、約70日ですので毎日4時間やっても間に合わないのです。更によほど受験慣れしている方ならいざ知らず、この理論値通りにはいきません。そもそも受験慣れしている方はこんな無謀な計画は組みませんが。

嫌味になってしまうと思いますが、参考までに合格者である私について書いておきます。私は大学名をいえば誰もが一流だという東京の私立大学を卒業しました。大学受験で特別な勉強をした記憶はありません。センター試験の問題集を2〜3年分解いて、学校が主催する受験勉強会に毎日参加しただけ。大学時代も成績は上位でしたので、勉強に関しては一般レベルより高いものと自負しております(周囲が遊んでいる中、クソ真面目に勉強していた根暗野郎ともいいます)。

ところが、宅建の問題集を開いて唖然としました。何を言っているのかサッパリわからないのです。理系高校出身者だから?とんでもない!国語の成績だって良かったのに!問題文の日本語が理解できないのです。何かの間違いだ、運悪く難問に当たっただけだと言い聞かせ解答に目をやると、「合格者の正答率94.8%」の文字。このとき自分の中の何かが壊れる感じがしました。と同時に、早い段階で宅建には学校の成績なんて何の役にも立たないということに気づけたことに感謝しました。蛇足ですが、一緒に受験した同窓の友人は受験直前まで「中卒の大工が受かるのに、一流大の人間が受からないわけがない」といっていましたが、案の定落ちてしまいました。

宅建は中学生でも受かる人間がいるのだから、俺だって受かる!なんていうのは、16歳でハーバード大学を卒業した奴がいるんだから、20歳の俺が入学できないはずがない!といっているのと同じことです。森鴎外は東京大学を19歳で卒業したそうですが、鴎外より年上だから東大余裕だわーといえばきっと笑われますよね。ごく一部の天才を捕まえて、天才ではない自分に当てはめ、余裕だと思い込む人は「ほぼ確実に不合格」になります。

学校の成績なんて関係ない。宅建には宅建の、法律には法律の勉強があるのです。向き不向き、覚悟の大小もありましょう。全員ゼロからのスタートです。ちなみに私は勉強が大嫌いなので、絶対に落ちるまいと400時間程度勉強しました。これでもなかなか効率的に進んだ方だと思います。300時間やれば受かるのではなく、受かった人が300時間程度勉強しただけなのです。600時間やっても受からなかった人だっているはずです。他人の勉強時間は何のアテにもなりません。

効率的に勉強することは大切ですが、一番大切なことは合格することです。時間がかかっても堅実に積み重ね、合格すればいいわけです。300時間以内の学習時間で受からなければ「恥ずかしい」なんて思わないことです。5年で100万人の不合格者を出し、8割以上の受験生が諦めてしまう資格試験です。何も恥じることはありません。近年の問題の難易度からすれば、合格すれば誇っていい資格だと思います。

次回からは堅実に学び、確実に受かるための方法についてご紹介いたしますので、引き続きお読みいただければ幸いです。


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