法令上の制限は専門家有利の難関分野

法令上の制限では、その名の通り法で定められている様々な制限について学びます。土地、特に家を建てる住宅用地は、取得したからといって自由に使えるわけではありません。突然隣に巨大なビルが建ったり、国民のための食料を生産している農地をまとめて買い取ってテーマパークを建てるなどされては困るわけです。

このような制限については、特に家を建てる人、建築士などは当然に知っていなければいけない知識ですので、初学者や業務経験のない方にとっては難問です。都市計画法と建築基準法という重大分野のほかに、国土利用計画法、農地法、土地区画整理法等々が毎年8問出題されます。それぞれ細かい数字を問われるのが特徴で、非常に似ていることから記憶や知識の混乱が起こります。準防火地域の条件とは?耐火建築物にすべきかどうか?など、問題文を読んだ瞬間にすばやく全知識を動員して判断しなければなりません。完全に記憶してしまえば、条件に合致するかどうかの単純な正誤問題となりますが、知識の抜けや誤りがあれば、確実に1点を落とす難関分野でもあります。覚えやすく最重要分野である宅建業法、多くの受験生が懸命に努力する民法に比して、あまり真剣に扱われない分野ですが、それだけに合格者と不合格者との点差が明確に開く分野でもあります。誰もが解ける(ように努力してくる)前述の2分野よりも、法令上の制限で合否が決せられることも少なくありません。数字を覚え、混乱に耐える苦痛な分野ですが、受験時にはそれぞれの知識を整理して、表に書き出せるくらいまでしみ込ませておくことが大切です。


ただし、すべての数字を暗記するのは時間の無駄

この分野では建ぺい率や容積率というものを覚えなければならないのですが、そこに出てくる数字を完全に覚えようとする方が毎年いますけれども、これは完全に無駄です。容積率であれば、必要なのは最高限度の数字であり、それまでの数字は覚えなくても(ほぼ)構いません。「ここの場合はじゅうぶんのにじゅうと、じゅうぶんのさんじゅうと…じゅうぶんのはちじゅう…」などとやる必要はないのです。もしその最高限度よりも少ない数字を自治体等が定めている場合、問題文にその数字を明記しているはずだからです。また、用途地域の問題でも、神社や教会はどこにでも建てられる、義務教育施設と高校は工業と工業専用地域だけダメと、体系づけて覚えていくべきです。多くの人にとって必要だからどこにでも建てられる建物、子どもたちの安全のために工場の近くには建ててはいけない建物…といったように、理屈で理解することが大切です。文字の羅列や数字、可否だけで暗記をするのは非常に効率が悪く、時間ばかりがかかります。かけるべきところは時間をかけ、手を抜けるところは上手く手を抜くことが肝心です。




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